介護福祉士として働きながら副業を考える人は年々増えています。収入を補いたい、将来に備えたい、別のスキルを身につけたいといった理由はさまざまです。しかし現実には、副業を始めたものの「思っていたのと違った」「続けられなかった」と感じてやめてしまうケースも少なくありません。そこには、介護という仕事特有の事情を考慮せずに動いてしまったことによる失敗が多く見られます。
この記事では、介護福祉士が副業でつまずきやすい代表的な失敗パターンを整理し、同じ落とし穴に入らないための視点を解説します。
1. 時間管理を甘く見てしまう
最も多い失敗が、時間的な余裕を過大評価してしまうことです。介護の仕事はシフト制や夜勤があり、生活リズムが不規則になりがちです。空いている時間が多いように見えても、実際には疲労回復や家事、睡眠に充てる必要があります。
副業を始めた当初は気合で乗り切れても、数週間から数か月で慢性的な睡眠不足に陥り、結果的に本業のパフォーマンスが落ちてしまうケースもあります。時間が「あるかどうか」ではなく、「安定して確保できるか」を基準に考えることが重要です。
2. 体力的な負担を考慮していない
介護福祉士の仕事は身体的負担が大きく、腰痛や関節痛を抱えている人も少なくありません。その状態で、立ち仕事や肉体労働系の副業を選んでしまうと、負担が一気に増えます。
「本業と同じような仕事だから慣れている」と考えがちですが、実際には休息時間が削られる分、体へのダメージは蓄積します。副業は本業とは異なる負荷の少ない内容を選ぶという視点が欠かせません。
3. 職場の副業規定を確認していない
副業が一般化してきたとはいえ、介護施設や法人によっては副業に制限を設けている場合があります。就業規則を十分に確認しないまま始めてしまい、後から注意や処分を受けるという失敗もあります。
特に、同業他社での勤務や利用者情報に関わる仕事は問題になりやすい傾向があります。副業を始める前に、規定の確認と、必要であれば上司への相談を行うことがリスク回避につながります。
4. 収入だけを基準に副業を選んでしまう
「短時間で高収入」といった言葉に惹かれて副業を選ぶと、思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。初期費用が必要だったり、実際にはほとんど稼げなかったりするケースも珍しくありません。
介護福祉士の場合、本業が安定している分、副業に即効性を求めすぎる傾向があります。しかし、長期的に見て無理なく続けられるか、スキルや経験が積み上がるかという視点で判断することが大切です。
5. 心理的な余裕を失ってしまう
副業と本業を両立させようとするあまり、常に時間やお金のことを考えてしまい、精神的に追い込まれる人もいます。介護の現場では感情労働の側面も大きく、心の余裕が失われるとストレスが一気に表面化します。
副業は生活を楽にするための手段であり、負担を増やす目的ではありません。「今はやらない」という選択も、立派な判断のひとつです。
6. 失敗を避けるために意識したいポイント
介護福祉士が副業で失敗しにくくするためには、時間・体力・規則・継続性の四つを軸に考えることが有効です。いきなり大きく稼ごうとせず、小さく始めて様子を見ることで、リスクを最小限に抑えられます。
また、副業は「今の自分に合っているか」を定期的に見直すことも重要です。生活環境や体調の変化に合わせて柔軟に調整していくことで、無理のない形を見つけやすくなります。
7. まとめ
介護福祉士と副業の両立は不可能ではありませんが、よくある失敗パターンを知らずに始めると、心身や職場環境に悪影響を及ぼす可能性があります。時間や体力を正しく見積もり、職場規定を確認し、収入以外の価値にも目を向けることが大切です。
副業は人生を支える選択肢のひとつです。焦らず、自分のペースに合った形を選ぶことが、結果的に長く安定した働き方につながります。
